健康に気を遣ってきたので、今まで内視鏡検査を受ける機会がなかったという人もいるかもしれません。
そんな人にとって、内視鏡検査のような精密検査はなんとなく大袈裟で、少し怖いものに思えるでしょう。
ですが内視鏡検査は大袈裟な検査でも、怖いものでもないのです。
ここで、内視鏡検査がどのようなものなのか、大まかに学んでみましょう。
内視鏡検査とはどういう検査?
内視鏡検査とは、管を通して胃腸内部を詳細に観察することができる検査です。
食道から十二指腸までの検査であれば鼻や口から、大腸の検査であれば肛門から管を通すことになります。
それぞれ、上部消化管内視鏡検査、大腸内視鏡検査といいます。
狭義には、管の先端に取り付けられたカメラを通して、リアルタイムに内部を観察できるものが内視鏡検査です。
ですが広義では、内部を撮影し、後ほど現像して確認する「胃カメラ」も内視鏡検査の一つとなります。
内視鏡検査のような検査はどうして必要になる?
40代頃に差し掛かると、医師から「年齢的にそろそろ受けた方が良い」とすすめられることもあるのが内視鏡検査です。
40代からは、胃がんや大腸がんといったリスクが高まっていきます。
もちろん、40代になっていなくても、日頃の不摂生が原因で胃がんや大腸がんになる可能性があります。
そこで求められるのが、内視鏡検査のような検査です。
沈黙の臓器と呼ばれる肝臓ほどではないにしても、胃や大腸も意外と鈍感な臓器です。
胃がんや大腸がんは、初期症状はほとんど無症状で、自分で気付くことは困難だといわれています。
そのため、リスクが高くなる年齢になってからは、定期的に詳しい検査をする必要があるのです。
内視鏡検査が選ばれる理由
内視鏡検査でなくとも、胃を診るのであれば、例えばバリウム検査(胃透視検査)があります。
検査中は、飲み込んだ空気を出さないように我慢しなければいけないのが難点ですが、麻酔をかけて管を通すよりは楽そうなので、こちらの方が良いと思うかもしれません。
ですが、バリウム検査では、内視鏡検査のように詳細な検査はできないのです。
バリウムの流れを追って慢性胃炎や胃潰瘍などさまざまな病気を発見できますが、直接見ているわけではないので、見落とす可能性も十分にあり得ます。
そのため、内視鏡検査のような、詳細に内部を観察できる検査が求められているのです。
内視鏡検査は怖い?
内視鏡検査が怖いといわれるのは、「痛かった」あるいは「苦しかった」という声を、どこかで耳にしたことがあるからではないでしょうか。
麻酔で全身動けない状態で管を通されて、管が引っかかったり擦れたりして痛い、吐き出そうにも吐き出せないので苦しい……といったイメージを持っているかもしれません。
ですが、クリニック選びがしっかりしていれば、内視鏡検査は怖いものではありません。
確かに、技術が未熟な医師が在籍しているクリニックや、旧式の機械を導入しているクリニックでは、そういったこともあるでしょう。
ですが、技術が確かな医師であれば、麻酔の使い方や複数の管の挿入方法を心得ています。
検査が始まる頃には意識が落ち、管の挿入がスムーズなので痛くもなく、検査が終わったころにすっと目を覚ますことができるのです。
また、旧式の機械では内部をよく観察するために空気を送り込むところ、最新機器であれば炭酸ガスのように体内に吸収されやすいものを使用してくれます。
そのため、お腹が張っていていつまでも辛い、というようなこともありません。
内視鏡検査はクリニック選びで決まる
内視鏡検査を痛くも辛くもない形で行いたいと思ったら、クリニック選びが大切になります。
内視鏡検査に力を入れ、技術や経験、最新機器の導入などを行っているクリニックを探してみましょう。
そうすれば、内視鏡検査は大袈裟でも怖くもない、少し時間がかかるだけの普通の検査になり、億劫な気持ちもなくなるはずです。
そして胃腸に異常がないことがわかれば、その後も不安なく過ごすことができます。
内視鏡検査を受ける場面では、クリニック選びにぜひ力を入れてみてください。